星に願いを
「ねえ、ステラ、暇でしょ? これやっておいてくれない? 他の仕事で手が離せなくって」
何言ってんのよ、こっちだって忙しいわよ。仕事らしい仕事もしてないくせに、人に押し付けることだけは上手いわよね。
「ええ、いいわよ」
えっ、うっそぉ。この程度のことも出来ないなんて、信じられない。知性と美貌と常識と配慮がかなり不足してるのは知ってたけど、能力まで不足してるなんて、本当にお気の毒。こんな人って本当にいるのね。
「今日中でいいかしら? 午前中はちょっと」
「午後一だと駄目?」
そんな仕事を人に押し付けるくらいなら自分でやりなさいよね。
「判ったわ、やっておく。あなたの机に置いておけばいいのね」
「助かるわ〜。暇なステラがいてくれて」
誰も暇な訳ないじゃない。私のが早いからやるのよ。処理も配分も出来ない人に任せるよりは現実的だわ。
「あっれぇ〜、何、彼女の仕事やってあげてんの?」
「いいのよ。私の方が早いし」
「そりゃそうだけどさぁ。ステラさんは仕事速いしミスないから助かるけど。うおっ、早えっ。流石に『流星』の綽名は伊達じゃないよね。お願いすればあっという間だしさ」
「ありがとう」
あたしはにこりと微笑んで、次の願い事を見た。